2013/11/13

これだけは作ろう 「任天堂 AVファミコン(HVC-101)」のRGB化

2014/02/21 追記

お知らせにも記していますが第2期出荷分のNESRGBに不具合が見つかりました。
搭載したチップが初期型と異なり、それにプログラムが対応できなかったことが原因です。

症状:背景などの色がおかしくなります

対応方法は2つ、チップ交換かプログラム書き換え。
ケーブルは純正品は恐ろしく高価なのですが互換品を千円ほどで手に入ったので、
予告通りJTAGプログラマを用いてアップデータを適用する事にしました。

USBブラスターケーブル
USBでPCと接続します。

メンテ用のピンにケーブルを接続
ピンヘッダを付けておこうと思ったのですがそれはまた今度w

本家サイトの指示通りにQuartusプログラマで書き換え。
サイトにも書いてありますが、接続の順序間違えるとさっぱり動きません。

1.プログラマ本体のみ接続する(NESRGBは接続しない)
2.アップデータの読み込み、ラジオボタンにチェック入れる
3.NESRGBとプログラマを繋ぐ
4.NESRGBの電源を入れる(ファミコンを起動する)
5.スタートボタンを押す

これで書き換え出来ましたヽ(´ー`)ノ


アップデート完了ヽ(=´▽`=)ノ


以下本文

_____________________________________



任天堂 AVファミコン(HVC-101)

NEWファミコンとか言われたりする事も言ってしまう事もあります
SFCと同じケーブルでテレビに簡単に接続できるファミコン。
デザインも素晴らしいですし、ケーブル類が全て着脱式なのも収納に便利です。

これをRGB化すれば非常にコンパクトで良いのですが、
タイトラー/C1/ファミコン基板を分解までして
手に入れるものではないと思っていました。
ましてや手元に本家のタイトラー改(AN-510RGB)があるわけですし、
作るにしてもライバル多きPPUを手に入れなければならない...
SKU-F18A(TMS9918A互換FPGA)のような物がPPUで出ればなぁ、
チラとそう言ったものが作られている情報もありましたが
どうせ高いんだろうなぁと思っていました....


しかし、それは突然やってきたのです




巷で高価に取引されているファミコンの画面処理チップ(PPU)を
PLD(プログラミング・ロジック・デバイス)で置き換え...ではなく、
本来のPPUの動作を拡張して、RGB/S出力可能にする夢のデバイスの登場です!


こ ・ れ ・ は ・ 買 ・ う ・ し ・ か ・ 無 ・ い!!





ポチること1週間、オーストラリアからやってきましたヽ(´ー`)ノ
(AVファミコンも買っちゃった)



では、さっそく組み込み作業を....
前回のこれだけは作ろうからもう1年以上経つのですねぇ......

今回の作業でファミコン側に施すのは2箇所。

コンデンサの横倒し作業。
そのままだとこんな風に干渉してしまうので、これを横倒しに
レイアウトします。元のを再利用は無理だと思うので
取り外して新しいものに交換します。


PPUの取り外し。
(手前側のソケットだけの所に本来付いてる部分に実装されてます)
写真ではCPUもソケット化されてますし普通のバネ式ソケットですけど、
これは自分の工作精度を信用出来ないのとCPUの調子が悪い気がしたので
ジャンクのファミコンから取り出したものも利用できるようにしたかった為...

PPUは40ピンでなかなか取り外しが大変ですが、
ハンダ吸取線や手動吸取器でも出来ないことはありません。
電動使ってもそうですけど、吸取出来たら軽い力で外せるか試して、
無理なら再度ハンダを盛って吸い直すを繰り返して慎重に外しましょう。
無理に力を入れるとパターンを剥がしてしまう可能性もあります。
(SC-3000でやってしまいました)

ソケットはNES-RGBキットにシンプルで頑丈なのが付いてます。
(今回は使ってないけど)

続いてNES-RGBの搭載していきます。



またもやPPUがソケットに載ってますがこれは僕仕様です。

まずは仮に置いてケーブルの長さや作業を考えて行きます。
マザーボード→AVファミコン変換基板→NES-RGBとなっています。

ここで注意するのは組立順序。
NES-RGB基板はピンヘッダも自分でハンダ付けする様になっています。
(紅白ファミコンに内蔵する時に直配線を行うため)
本家ページにもありますが、
「まずはピンヘッダをハンダ付け」
これを忘れないようにしましょう!調子に乗ってアダプタ側から組んでいくと
一番上のPPUがハンダ付け出来ません!
間違いに気付いて外そうにも変換アダプタのパターンが非常にデリケートなので
間違いなくダメになってしまいます。

あと、PPU直下になるピンヘッダの余剰分を切り落とす時も
パターンを傷付けないようにしましょう。


取り付けが終わったら、コードを挟まないように注意しながら配線をしていきます。
手前の小さい基板も付属のパーツ。
放熱が心配なんですけど他に良い所が浮かばないので
メイン基板の止めネジを共有して、
裏には両面テープでスペースを設けています。
メイン基板後方に三端子レギュレータがあるので
電源はそこから取っています。

カラフルな4色のケーブルはRGBとSYNC(VIDEO)でAVマルチコネクタに接続しています。
今回は使ってないけど、S端子出力も出来るのですねヽ(´ー`)ノ
左側のパステルカラーな4色のケーブル先に付いているのはNES-RGBのモード切替スイッチ、
画質モード*3とRGBをオフに出来るスイッチです。
AVファミコンは1枚の基板に全てくっついてるので作業が非常にやりやすいですが、
このスイッチだけはどうしようもない....

本体に穴を開ける根性がない僕なので今回もまた....

手抜き工事....orz
ρ(TωT、)ダッテェ…デザインに隙がなさすぎて穴開けれないよぉ


工作は以上で終了なので早速起動して画質をチェックしていきましょう。


エクステンド音が印象的なザナック
(ケータイの着信音にしてます)



モード切替 1、2(上段)、3
1がナチュラル、2が改良版、3がビビットって設定になってます。
2がいい感じですねぇ



粘るFMサウンド、ゼルダの伝説
(今回は関係ないか)


モード切替 1、2(上段)、3
1でもいい気はするけど、やはり2番かな



色々試していて思い出したのはこのソフト、

バブルボブル
このソフト、タイトラーなどのPPUでは画面の黒い部分が赤くなる症状があります。

こんな感じ

コイツをNES-RGBで起動してみると....なんとー!!!!

赤化現象が起こりません!!これはオリジナルを越えたヽ(´ー`)ノ


コイツも各モードを載せておきます。


今回は作ろうと言うよりNES-RGB日本語取説みたいになってしまいました(;・∀・)
工作は大変になりますが紅白ファミコンにも取り付けできますし、
頑張ったらツインファミコンにも入れられるかもです。

あなたも押入れに眠っているファミコン、RGB化してはいかがですか??

2013/10/28

トイタウン 「パイロット ヒコウキ」 (197?)


満天の星をいただく、はてしない光の海を ゆたかに流れゆく風に心を開けば、

きらめく星座の物語も聞こえてくる、 夜の静寂の、なんと饒舌なことでしょうか。


光と影の境に消えていったはるかな地平線も 瞼に浮かんでまいります。


皆様の夜間飛行のお供をするパイロットは私...





懐かしのFM番組のフレーズを使わせていただきました( `ー´)
今回の「パイロット ヒコウキ」は名前の通りの何の説明も要らないド直球なアイテムです。
古いおもちゃを紹介するのは久しぶりだなぁヽ(´ー`)ノ
残念ながらもう手元にはなく、
写真も動画も追加することが出来ませんがここに記しておきます。




パッケージ横。このお二人、今もご活躍されてるのだろうか...

電車、消防車、パトカーなどのコクピットを模したおもちゃは今でもありますが、コイツはそのコクピットの先に電動でスクロールする地形と操縦桿に連動する航空機を付けたなりきりアイテムなのです。





ちなみにお値段は3500円だったらしい...




箱から出して組み立てた所。
といっても鏡と操縦桿を取り付けるだけですが...
かなりお気に入りで遊びまくったのでメッキがハゲまくってます
コクピットには操縦桿以外にスロット(H/L)とスイッチが2個付いています。


メインスイッチ/エンジンスイッチをオンにすると



飛行機のプロペラが回転を始め、ポジションランプが点滅します。
そしてモーターでゆっくりと地面がスクロール開始...
スロットルをHにするとプロペラは勢いを増しませんが、
地面は早くスクロールします。




そこで操縦桿を引くとエイッと機体が持ち上がりますヽ(´ー`)ノ
さらに前方の鏡で実機の姿を見ることが出来ます。



ちゃんと着陸脚も収納しちゃうんです。芸が細かいなぁ。
(昔はもうちょっときちっと格納できてたと思います。)





こんな楽しい空の旅もこのヒコウキの移動速度が早いのか、悲しいかな奥行きの長さ分の儚い距離...
気がつくと地球をあっという間に何周もしてしまいます。
それが気にならないのが前方の雲の柄の入った鏡。我が家の分は傷だらけで視界が悪いですが、
地面のスクロールも一緒に見えるので没入感は高かったです。
さながら今で言うリプレイカメラですね。


今回紹介した「パイロット ヒコウキ」よりもう少し対象年齢の高い商品でヘリを操縦して荷物を運んだりするタイプのおもちゃがあったと思うんですがそれは実物も写真も残っていません。
読者の方でご存知のかたいらっしゃいましたら情報提供くださいヽ(´ー`)ノ


夜間飛行のジェット機の翼に点滅するランプは
遠ざかるにつれ次第に星のまたたきと区別がつかなくなります
美しく、あなたの夢に、溶け込んでいきますように....

それでは皆さまごきげんよう....


2013/09/17

旧世界の遺産を守れ! 「MZ-1200」 シャープ(1982)


 

1982年発売。 CPU:Z80A-4Mhz RAM:64KB 海外仕様MZ-80Aの国内版。
キーボードがタイプライタ型になっているのが特徴です。(オレンジ色の所はテンキーじゃないです)


広告は当時の流行を思わせるフローリング床に置かれたもので、
安価で目に優しいと言われていたグリーンCRTを搭載、
2トーンのボディにアクセントのオレンジが効いてオシャレでカッコいいパソコンでした。
MZ-80Kから続いたCRT一体型MZの最後のモデルです。



思えば3年前、オクで稼働するMZ-80Bを手に入れてから始まったレトロPC集めの旅
主食はディスプレイ非搭載キーボード一体型PCなのですが、
CRT一体型MZは僕の中での憧れなのです。



今回、起動しない本体を幸運にも比較的低価格で手に入れましたヽ(´ー`)ノ
色んなパソコンの修理をしていて、コンデンサの交換やパターンへのハンダ盛りで楽勝と思ったら、
作業しても作業してもうまく動いてくれません(´・ω・`)

そして、その度に訪れるCRT感電の恐怖.... ←怖いのはCRTだけじゃないけど



これをなんとかしたい....




ネットでも、リアルでも逢う人会う人にCRTの治し方や修理が出来そうな人を聞いてきました。
「叩いたら治る」とか「40歳超えたら残機1機増えてるから感電しても大丈夫」とか
「ブラウン管には手を出すな」とか「ダメだったら最後は水洗い」とか....

皆さん、様々なアドバイスありがとうございましたm(_ _)m




「手直し→テスト→放電」を何度も何度も繰り返した結果、
CRTそのものの故障では無いかという結論に達しました。(あと電源自体も)
不稼働のまま、静態保存を行うことも考えましたが、テストを繰り返しているうち、
メイン基板は生きていることがわかったのです。


そして、ヒントを頂いて調べていく中で様々なアイデアが浮かびました。
工学社さんのアイオーぽく...

「MZ-1200に液晶を!」 
内蔵CRTを液晶に交換、同時にAV出力によるキャプチャ対応、
外部カセットインターフェース端子の装着、内蔵電源への交換を行い、
「MZ-1200LCD」として生まれ変わらせるミッションです(`・ω・´)ゞ


ではその工程を.... ですがその前に


ーーーーーー 注意事項 ーーーーーー

今回の作業、高電圧の真空管を扱うため、かなり神経を使いました。

感電、爆縮...

ネットでブラウン管の修理を見るといとも容易く書かれていたり、
手に穴が開いたとか命を落とすとか色んな情報があります。

実際、ブラウン管を処分するために箱の中で真空解除を行い、
その後、砕いた時の写真を載せておきます。
様々な厚みの鋭い破片がペンチを軽く当てただけで飛び散り手袋に突き刺さってきます。
ブラウン管後部は特に薄くてデリケートです。
その上、アノードキャップ付近の高圧帯電...
危険極まりない作業です。

こういう工作をした人が居たんだなと思うだけにしてご自分で作業はなさらないでください。



 



では、気を取り直して...



・電源部

電源は80Kと同じタイプの電圧を使用するモデルだったので、
80K用に作ったATX電源改造外部電源を用いて各所をテストしていくことにしました。
MZ系、-5Vが必要なやっかいなモデルです。ATX電源も-5Vを持つものが必要です。
(汎用のスイッチング電源も-5V出力を持つものは少なく、存在しても近日生産終了するようです。)

電源を入れてみると...


横一線...orz
しかし、よく見てみるとリセットボタン押下後、画面に変化がありました。
フォロワーさんに教えて貰った「モニター画面でSGと押す」をやるとキー入力音が元気に鳴りました。
マザーは生きている可能性が高いわけですъ(゚Д゚)



・CRT部

完全放電時にハンダ盛りとコンデンサのチェック、交換を行っても改善しませんでした。
MZ-1200にはグリーンCRTが搭載されているのですが、メイン基板から
RGBのGだけ入れて表示しているのではありません。コンポジット入力なのです。
CRT基板からコンポジット信号を取り出し、テレビやキャプチャに繋いでみました。


揺れていますけど、ちゃんと映ってますね。
このままAV出力も良いかなと思いましたが、
ブラウン管は感電以外に爆縮って恐怖もありますので、
小さい液晶を探して内蔵する事にしました。

MZのCRTは10インチで額縁部分の対角が約22センチ。
8.9インチ位のモデルがあればベストなんですがナカナカ無い....



ネットでこんなのを見つけました。

faytech  8インチ小型液晶モニター 
8.4インチで少し小さいですがこの液晶、AV入力以外に
VGAやHDMI入力もあるのですよヽ(´ー`)ノ





 

まずはMZの枠への取り付け。ストックしてた1mmのアルミ板を工作して
枠とモニタVESA穴を繋ぐステーを作りました。
このアルミ板、小学生の時にアクリルロボット作ろうとして購入してたもの。





仮にMZに内蔵してみます。


おぉモノクロCRTぽいぞヽ(=´▽`=)ノ





しかしサイズの違いで額縁が二段構えになってしまいます...色も白いままだし....
そこで暗記用下敷きを買ってきた( `ー´)ノ



内側の枠も目立たなくなり、しかもグリーンCRTぽい ヤタ━━━━ヽ(゚∀゚)ノ ━━━━!!!!


さらにフェースパネルを付けると当時の雰囲気そのままですヽ(´ー`)ノ



AV出力なので単純に分岐すればミラー表示できます。


端子はかっこよくDIN5ピンでモノクロCRT端子と映像互換にしました。
ケーブルには空きピンに音声を割り振ってAV出力完成ヽ(´ー`)ノ


音声入りでバッチリキャプチャ出来ます。
CRT基板を外したおかげか映像も安定してきました。


ここで一気に外付けCMT端子もとも思ったのですが、単純に音声を入力するだけでは
MZのマザーが受け付けてくれないことがわかりまたもや暗礁に...(´・ω・`)

取り敢えずデッキは生きてるので手元にある電源の内蔵を優先しました。
広大な空間が有るように思えるMZ-1200ですが直上にカセットデッキがあるので
高さも奥行きもあまりスペースありません。


そこで電源を液晶に背負って貰う事にしました。
ステー作ってVESAマウントで固定できるし、放熱効率も一番いい場所のはずなので。



こうしてMZ-1200は液晶を搭載して30年後の世界に蘇ったのですヽ(´ー`)ノ


2022/12/04 追記

けせぱぱ様お問い合わせのビデオ出力の場所です。
実機がバックヤード奥深くにあってすぐに取り出せません。
作成時の写真でヒントになりそうな写真がありましたので載せておきます。
多分、CRTアナログボードへの信号出力だと思います。
お役に立てればよいのですが...